1972年に公開された『白い指の戯れ』は、村川透監督のデビュー作であり、荒木一郎と伊佐山ひろ子が主演する犯罪ドラマです。物語は、新宿の喫茶店で出会った19歳の少女ゆきと青年二郎の恋愛から始まり、二郎がスリ集団の頭目であることが明らかになるにつれて、ゆきも次第に犯罪の世界に引き込まれていきます。リアルな街並みや当時の雰囲気を映し出した映像が特徴で、視聴者に新宿の1970年代の風景を感じさせます。 1970年代の日本は、経済成長とともに都市化が進み、新宿などの繁華街は活気に満ちていました。『白い指の戯れ』は、そんな時代背景を反映した作品であり、犯罪ドラマとしての要素を取り入れつつ、当時の社会情勢や若者文化を描いています。新宿の街並みやファッション、音楽など、1970年代の日本のカルチャーを感じることができる作品です。 『白い指の戯れ』は、村川透監督の初監督作品であり、荒木一郎と伊佐山ひろ子の初共演作でもあります。撮影は新宿の実際の街並みを活かして行われ、当時の新宿の雰囲気をリアルに再現しています。特に、丸の内線、銀座線、京王線井の頭線などの地下鉄や紀伊國屋書店、伊勢丹などの商業施設が登場し、当時の新宿の風景を懐かしむことができます。 同時期の日本映画では、深作欣二監督の『仁義なき戦い』シリーズや、山本薩夫監督の『人間の証明』などがあり、これらも犯罪ドラマとして高く評価されています。『白い指の戯れ』は、これらの作品と比較すると、より若者の視点から描かれた作品と言えます。 荒木一郎は、1960年代から1970年代にかけて活躍した俳優で、テレビドラマや映画で幅広い役柄を演じました。伊佐山ひろ子は、1960年代から1970年代にかけて活躍した女優で、清純派から悪女役まで幅広い役柄をこなしました。『白い指の戯れ』では、二人の初々しい演技が光り、作品にリアリティと魅力を加えています。